内村航平とはどんな選手だったのか?
2022年11月6日放送の情熱大陸で、体操選手の橋本大輝選手を特集します。
2021年東京オリンピック体操個人総合で金、2022年体操世界選手権個人総合で金と2連覇した彼はまさに男子体操界の若きホープです。
では、彼にバトンを渡した内村航平選手とはどんな選手だったのか?
まずはプロフィールから、
内村 航平
うちむら こうへい
国籍:日本
生年月日:1989年1月3日(33歳)
生誕地:福岡県北九州市
故郷:長崎県諫早市
身長:162cm
体重:55kg
種目:男子体操競技
代表:2006年~2021年
所属:ジョイカルジャパン(2021年3月17日~)
学歴:みはる台小学校、諫早中学校、東洋高校、日本体育大学
コーチ:佐藤寛朗
引退:2022年3月12日
公式サイト:内村航平オフィシャルウェブサイト
父、内村和久さんは柳川高等学校時代に高校総体の種目別で優勝し、母、内村周子さんも元体操選手、妹の春日さんも元日体大体操選手という体操一家。
1992年(平成4年)母、周子さんの出身地長崎県諫早市への帰郷を機に、両親が『スポーツクラブ内村』を開設し、内村さんは3歳で体操を始めた。
塚原直也選手に憧れて諫早市立諫早中学校卒業と同時に上京し、朝日生命体操クラブに入門した。
東洋高等学校を卒業、日本体育大学体育学部体育学科に入学。体操競技部に所属し、4年時には主将を務めた。
日体大卒業後、2011年(平成23年)4月にコナミスポーツ&ライフ(現コナミスポーツクラブ)へ入社。同年の世界選手権でロンジン・エレガンス賞を受賞。
2012年11月11日、一般女性と入籍。
2013年4月19日、第1子となる女児が誕生。
2015年グラスゴー世界選手権で史上初の個人総合6連覇を達成。また、第2子となる女児が誕生。
2016年リオデジャネイロオリンピックで体操個人総合で金を取り、歴代4人目となるオリンピック個人総合2連覇を達成。同年11月コナミスポーツクラブを退社し、プロ活動を開始。
2016年12月アシックスジャパンとスポンサー契約を結ぶ。
2017年1月復興大臣からの委嘱で、東日本大震災の被災地を支援する「復興応援大使」に就任した。同年3月1日、リンガーハットと所属契約を結んだ。
2017年モントリオール世界体操競技選手権では、2種目目の跳馬の着地で負傷し途中棄権した。これにより9年ぶりの敗北となり、個人総合の連勝記録もストップすることになった。
2020年12月31日でリンガーハットとの所属契約が終了した事が2021年1月に公表された。
2021年3月17日都内で会見し、ジョイカルと2024年3月16日までの3年間の所属契約を結んだことを発表した。
2022年1月11日、自身の公式サイトでマネジメント事務所であるスポーツコンサルティングジャパン名義の文書で現役引退を公表。1月14日の引退記者会見で、引退試合を行うことを発表した。
体操選手が引退試合(演技会)を開くのは異例である。
2022年3月12日に引退試合として「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」を東京体育館で行い、現役を引退。
9年間体操個人総合無敗という異才
基本的な話になりますが、体操の個人総合は6種目の合計点で競い合います。
国内のような小さな大会なら別ですが、大きな大会になるほど、世界大会ともなれば全ての種目で個人競技の表彰台に上る事が出来るような点数での競い合いになります。
もちろん選手によって得手不得手はありますが、得意種目なら個人戦優勝レベル、不得意種目でも入賞(8位以内)レベルです。
実際、内村選手は種目別ではゆか、鉄棒、平行棒での優勝経験があります。跳馬、あん馬は大会によっては個人戦に出場しないなど不得手だった形跡があります。連勝ストップとなった着地失敗のケガも跳馬でした。
時間はすべての人に平等です、与えられた練習時間の中で6種目全てを練習し、全ての種目で世界最高レベルの技術を身に着ける。
言葉にすれば簡単ですが、常人にできる事ではありません。
引退試合を開催する精神性
内村選手が引退記者会見で述べたことを引用します。
今回、引退試合をやろうと思った理由として、「体操選手が引退をするときに引退試合のような場所がなかったので、『KOHEI UCHIMURA THE FINAL』をとおして、今後、引退していく選手たちには、それがスタンダートだと思って、目標にしてもらいたいです」と明かし、最後の舞台で6種目をやろうと思った理由については「僕自身はオールラウンダーとしてやってきたので、6種目をやりたいと思いました」「6種目の練習をやることがふつうだと思ってやっていましたし、体操は6種目やってこそだと思っています」「後輩たちにも受け継いでほしいですし、体操が心底好きだから、6種目をやろうと思いました」と体操への想いを語ってくれた。
WEBザ・テレビジョン
今まで体操選手の引退試合というものはありませんでした。
理由はフィギュアスケートの時に書いた事と同じで、自身の最高のパフォーマンスを発揮できないからです。
ある体操選手など、「練習時に技のイメージに体がついてこなくなって失敗した」ことを理由に引退を決意したと聞いたことがあります。
加齢による筋力体力の衰えによってできる技の難易度が下がってしまい、目に見えて得点が下がり、順位が下がってしまうのです。
そしてひっそりと現役を引退していくのです。
だから内村選手が引退試合を行うことに非常に驚きました。言い方を変えれば、最盛期から衰えた現状の自分を衆目にさらそうというのですから。
実際、彼の2019年からの試合成績は肩のケガもあり振るいませんでした。
その精神のあり方は、常人の私には理解できません。
まとめ
体操選手が引退試合を行うという、今までの固定観念を破壊した内村さん。やはり常人ではありませんね。
しかし、よい選手がよい指導者になれるとは限らないのはよく聞く話です。
将来彼が指導者になったとき、自分の物差しで選手たちを測ってしまわないよう願います。
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